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里山のエッセイ


つげ義春の青春

つげ義春.jpg
 
つげ義春さんのマンガで忘れられないシーンがある。
その最後のシーンだけが記憶に残っているのだ。
途中は忘れてしまっている。どんなストーリーだったっけ。
 
少年が一人で仕事をしている。
町工場の片すみで。
子供のころ、普通に目にしたバラックのような板張りの工場の中で・・・。
 
書庫の一番奥の棚にあったつげ義春全集を引っぱり出した。
その第7巻に出ている「大場電気鍍金工業所」がそれであった。
 
メッキ工場の社長が肺炎で死んでしまい、
残された奥さんとメッキ工の少年が工場で研磨の賃仕事をしている。
「メッキの職人は必ず肺をやられる」と、出だしから暗い話ではある。

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あるじなしとて春な忘れそ

 
 
 梅の思い出リレー。
 学校帰りに近道を
 通ってみればどこからか
 ほんのり匂う梅の花
 
 
田んぼのあぜ道をとんとん走った近道、
横丁を曲がってひなびた家並に出くわした近道。
思い切り走ったお墓のある近道。
背中のランドセルがカタカタ鳴って、オカッパ頭は神出鬼没。
辻々に梅が香っていた。
 
奈良県月が瀬村、ダムに沈んでいった白い白い一面の梅。
白い幻は今も夢に立ち現われる。
木頭村の切り立つ谷に立った日。
「ダム底に沈まなくて良かった!」ダムを止めた村民の苦労がしのばれた。
あれも梅の季節だったか。

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『葬送』 ― ショパン生誕200年

2010.02.25 No.131 「葬送」.jpg
 
 
 「その美質は、奏でられる調べの一音々々から馥郁(ふくいく)と立ち昇って
  客席のすべての人間を恍惚とさせた。
  胸を締めつけるような憂鬱も、寂寥(せきりょう)も、悲哀も、
  どの一つを取ってみてもそうした薫りを帯びていないものはなかった。
  即ち気品であった。・・・何という香気。何という陰翳(いんえい)!」
                                 (平野啓一郎『葬送』)

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ハンミョウの道教え

 
風のそよぎや流れる雲に、水ぬるむ川面に、
くりくり目玉のメジロにと遠近春はやって来る。
自然の移りは正直、今日は明日へ、
明日はあさってへと寒暖取り混ぜ変身一途。
いのちみなぎり、いのち張る「春」。生物の多様性を語るには最適の季節である。
 
2010 年は生物多様性年。
これから徳島でも事前行事が展開される。
第一弾2月20日(土)に開く「生物多様性国内対話in徳島・香川」
(アスティ徳島 1時から)には、生物多様性の国家戦略なるものが登場する。
国家戦略とはこれいかに?
 
戦略ばやりの昨今だが
上から目線でない「自分たちの戦略」をぜひ立てたいと思う。

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萩焼そして髙橋和三郎展

青藍天目釉流水鎬文壺.jpg
     髙橋和三郎 作 「青藍天目釉流水鎬文壺」
 
 
“萩の七化け”という。
 
お正月に山口県萩で求めた大振りの萩焼茶碗に、たっぷりと煎茶を入れて飲む。
うす雪を散らしたような白い釉薬に、貫入模様が表れ、それが日ごとに増していく。
 
萩焼の特徴である地土のあまさ、やわらかさが湯水の浸透を招くのである。
お茶を飲むたびに茶渋が浸み込み、貫入模様がふえていく。
“鬼萩”と呼ばれる砂の荒い土でつくられた茶碗は、
最初お茶が浸み出るほどである。
しかし、かまわずつかい続けるうちに漏れはおさまってくる。
茶の成分がすきまを埋めるのだそうだ。

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節分を過ぎると

キビタキ.jpg

                           photo by TAKESHI MIYAKE
 
 
 
ある朝、夜半の雨が止んで、空気が柔らに感じられて窓をあけると、
霞を刷いた山々が墨絵のようだった。
手前の雑木林は枝々に春の芽吹きを貯えている。
節分を過ぎると足早に春の足音。
春待つ今の、この湿り気とかすかな匂いは格別である。
 
 
この季節必ず思い出す一冊の本、海洋生物学者レーチェル・カーソン「沈黙の春」。
いきなり第1章明日のための寓話で語られる地球の現実は衝撃的である。
 
  「自然は沈黙した。鳥たちはどこへ行ってしまったのか。
   みんな不思議に思い、不吉な予感におびえた。
   春が来たが沈黙の春だった。
   農家では鶏が卵を生んだがひなは孵らず、
   りんごの木は溢れるばかり花をつけたが、
   耳をすましてもミツバチの羽音もせず・・・。」
 
そして 「すべては、人間がみずから招いた禍いだった。」 と結ばれる。

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昭和のくらしがわかる事典?

『昭和のくらしがわかる事典』.jpg
 

里山の会員である河野真理さんお手製の
すてきなお重に入ったお節が、
PHP出版社の『昭和のくらしがわかる事典』に掲載されました!


おいしそうなお節料理・・・
毎年、お正月になると河野真理さんの家には、たくさんの人が
お節をいただきに集まるそうです。
(写真をクリックすると、拡大してみることが出来ます)
 
 


「日本の橋」

column129 「日本の橋」に出てくる熱田の裁断橋(大正初年頃).jpg
              「日本の橋」に出てくる熱田の裁断橋(大正初年頃)
 
 
  「十八になりたる子をたゝせてより、
   又ふためともみざるかなしさのあまりに、いまこのはしをかける成、・・・」
 
 
保田興重郎の名作、「日本の橋」の終りのところに出てくる文である。
天正18年、小田原の戦に豊臣秀吉に従って出陣、
戦死した堀尾金助という若武者の33回忌の供養のために
母親が橋を架けたことを印した銘文が紹介されている。
 
この文は、名古屋市熱田の町を流れている精進川に架けられた
裁断橋の青銅擬宝珠に印されていて、
本邦金石文の中でも名文の第一であると保田興重郎は書いている。
日本の優れた橋の文学の唯一のものであるとも。

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123から吉野川YEARへ

CA3B0495.jpg
 
 
 
10年目の1月23日は2度と来ない。
記念イベントを明日に控えてさまざまの感慨が経巡っていく。

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私の上に降る雪は

cap009.jpg
 
 
  これが私の故里だ
  さやかに風も吹いている
  心置なく泣かれよと
  年増婦(としま)の低い声もする
 
  あゝおまへはなにをして来たのだと・・・
  吹き来る風が私に云ふ

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〒770-8055
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