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里山エッセイ



のだめ カンタービレ

世の中には二種類の人間がいる。

片付けのできる人と、そうでない人である。私は後の方で、どうも整理整頓というのが苦手である。

おまけに本好きで、読みたい本は手元に置いておきたい、それもすぐ手の届くところにと思うので、結局散らかった書庫の中に住んでいるようなものである。

その本の中には
「気がついたら机の上がいっぱいになっている人のために」
とか
「書斎の知的整理術」
など、私のために書かれたようなハウツー本もあるのだが、そんなのに限って多くの中に埋もれて、どこにあるのか分からないのである。

こんな私に、ちっとも気にしないでいいんだよ、と語りかけてくれる本がある。二ノ宮知子さんの人気マンガ ”のだめ カンタービレ”である。

”のだめ”こと野田恵は、音楽大学でピアノを学ぶ女の子、片付けが大嫌いである。同じマンションの隣の部屋に住む千秋真一は、無類の奇麗好きの天才音楽学生だ。

千秋の部屋はヨーロッパ育ちの彼らしくシンプルモダン、無駄な物がなくとてもすっきりしている。そこへのだめが鍋パーティーのためにやぐらこたつを持ち込んだところからストーリーが動きだす。

それまでイス座であったリビングが、たちまちにしてアグラ座に変わる。見る見るうちにのだめの部屋と同じように雑然となっていく千秋の部屋。

囲炉裏からちゃぶ台、そしてやぐらこたつへと、この数百年に及ぶ日本伝統の団らんの装置の存在感はとても大きい。おまけに布団までついている。

”キレイだけど何かが足りない”との親切心で、のだめが持ち込んだやぐらこたつが千秋の心をかき乱していく。

生体反応という言葉がある。何かが足りないというのは生体反応が希薄だということでもあろうか。のだめの部屋は生体反応そのもの。むしろねぐらという言葉の方がふさわしい。

そうか、なるほど。私の片付け下手は、生体反応が強烈なんだ、と”のだめ カンタービレ”を読みながら妙に納得しているのであった。


建築家 野口政司   (2006・6・16  徳新夕刊より)


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