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里山エッセイ



オフサイドの美学

77 オフサイドの美学.jpg
早瀬圭一 『平尾誠二、変幻自在に』 毎日新聞社より
 
 
ラグビーのワールドカップがフランスで開かれている。
まだまだ世界の壁は厚く、日本は決勝トーナメントに進むことができなかった。
 
 
ラグビーは、サッカーと同じくイギリスが発祥の地である。
スポーツのルールやスタイルには、民族・文化の特徴がはっきりと出てくる。
そのきわめつけが「オフサイド」というルールであると思う。
 
 「オフサイド」は、ボールより前にいるプレイヤーはボールを受取ることができない
というルールである。このルールが厳密に守られているのがラグビーだ。
 
 
サッカーの場合は、ゴールキーパー以外の相手チームプレイヤーよりも
ゴールラインの近くにいるプレイヤーにボールが渡ろうとした時にオフサイドになる。
 
これに対して、アメリカで発達したアメラグとバスケットは
オフサイドの考え方がほとんど無い。
 
アメラグでは敵の裏をかいて前方に走り込んだレシーバーにクォーターバックが
ボールを投げ渡して陣地をかせぎ、得点する。
 
又、バスケットにはオフサイドのルールは無い。ゴール下に待っているプレイヤーに
ロングパスが渡りダンクシュートを決めてもかまわないのだ。
 
 
イギリス型は「汚い待ち伏せ」を軽蔑するスポーツとしてルールが練り込まれ、
アメリカ型は、待ち伏せしようが、どうしようが、
ボールをいかに華麗にゴールにぶち込むか、その快感がゲームの原動力になっている。

 
 
 
さて、近代サッカーでは、オフサイドトラップという高度な戦術がつかわれる。
ディフェンダーがいっせいに相手側に移動し、相手フォワードの位置をオフサイドにし、
無力化させる技だ。
 
卑近な例では、自民党の麻生前幹事長が安倍前首相の辞意を、
記者会見の2日前に知っていたことが「オフサイド」として批判された。
しかし、他にも知っていた人がいたようだし、
むしろ「オフサイドトラップ」にかかったというべきであろう。
 
仕掛人と思われる森元首相は、その時ラグビーのワールドカップを観戦するために
パリにいたそうである。いつも、事件が起こった時、場違いな所にいる人である。
ラグビーにオフサイドトラップは無いのであるが。
 
 
 
実は、私はラグビーの大ファンなのである。
かつてフルバックとしてプレーしていたこともあり、
私はラグビーがスポーツの中で一番だと思っている。
 
トラック競技以上のスピード、瞬発力、格闘技に勝る戦闘性、
そして球技の中で最も多い30人の個性的なプレイヤーが
楕円形のボールを追いかける総合性。
 
その全体をコーディネートしているのがオフサイドというルールなのである。
 
 
このルールから解放される瞬間を「ノーサイド」と呼ぶ。
敵、味方の垣根が取りはらわれるその瞬間に向かってラガーたちは走りつづける。
 
 
建築家 野口政司   2007年10月10日(水) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より


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