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里山エッセイ



拝啓 原秀樹徳島市長 様

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梅雨入りしたとはいえ、雨あがりに浮かびあがる眉山の姿は
緑の濃淡がじつに美しく、さわやかに輝いています。
 
小さなころより眉山を見て育った私は、
どんなに遠くまで遊びに行っても、
眉山の姿さえ見られれば帰る方向が分かったものです。
 
 
たまに東京に出張しますが、
林立するビルの谷間から見えるのはまた別のビルばかり。
山の姿を望むことはできません。
 
都会での一日は、故郷よりうんと疲れます。
所在のなさ、といった不安定感がついてまわります。
徳島に帰り着き、吉野川を渡り、雲の下に横たわる眉山を見て、
やっと落ち着きを取りもどすのです。

 
 
さて、その眉山のことです。
 
 
徳島駅から阿波踊り会館へのシンボルロードは、
徳島らしさの象徴と言えるでしょう。
 
街のまん中を流れる新町川は、愛らしいスケールで人々を迎えてくれます。
そして正面にゆったりとそびえる眉山は、いつも優しく私たちを包み込んでくれます。
 
豊かな自然に囲まれ、その美しい姿を街のまん中で眺められるというのは、
ほんとうにありがたいことだと思います。
 
徳島に生まれてよかったと思える瞬間です。
 
 
その眉山の眺めが、
現在計画されている西新町の再開発で失われてしまうというのを知りました。
 
22階建の分譲住宅、じつに72メートルの高さの高層マンションが
計画されていると聞きます。
 
徳島市民の共有の財産であり、
徳島らしさの象徴である眉山の眺めをこわさなければできない再開発とは
どのようなものなのでしょう。
 
 
現在の西新町がけっしてよいとは思いません。
角にあるYビルの上のコカ・コーラの看板を、
むしろ私はいたいたしい気持ちで眺めております。
 
しかし、もし完成予想図のような高層マンションが建ってしまった時には、
取りもどしようのない喪失感に襲われるのではないでしょうか。
 
 
そのまちらしさを失うこと、
それは、そのまちに住み続ける理由を失うことでもあります。
 
計画の再考を切に望みます。
 
 
西新町開発 完成予想図.jpg
 
建築家 野口政司   2008年 6月10日(火) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より


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