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里山エッセイ



腹時計のセンス

colum117 腹時計のセンス.jpg 
 
 
昔から腹時計にはいささか自信がある。
15分ぐらいの誤差で、時間が分かるのだ。
絶対音感というのがあるそうだが、私の場合は“絶対時感”。
体内時計の感度がいいのであろう。
 
朝起きるのも、明日は何時に起床すると心に念じておけばその時間に目が覚める。
旅行などでどうしても朝早く起きなければならない場合、
家中を探して目覚まし時計をセットすることがある。
しかし、たいていというか必ず15分前には目が覚めて静かにセットを外すのである。

 
 
実は私にはもうひとつ独特の感覚がある。
自分の今居る場所がどこらへんかがわかるのである。
“絶対場感”とでもいうのであろうか。
 
京都で学生時代を過ごしたので、比叡山と鴨川さえインプットしておけば
自分の居る場所が分かるし、目的地にも迷わずたどり着ける。
もっとも京都の場合、「河原町五条下ル東入ル」なんて住所なので、
よっぽどの方向音痴でもないかぎり迷うことはないのであるが。
 
 
で、私のこの独特の感覚が何なのかが最近分かった。
つまりは人間ナビゲーションなのである。
ある場所に行くのに、どの方向に何時間進めばたどり着くのかが直感できる。
初めての町を旅行するときなど、これはとても便利である。
 
しかし、この能力というか感覚は、
車にナビを搭載するようになってからはほとんど無用となった。
おまけにケータイ電話を持つようになってからは
自慢の腹時計のほうもお役御免となってしまったのだ。
機械の進歩は、確実に人間の感覚を鈍化させるということを
身をもって証明したことになる。
 
 
ところで、無敵を誇る最新のナビでも、
このコースの方が景色のいい道を走って
気持ちよく目的地に着けるなどまでは指示してくれない。
ましてや、昔の平安びとがした「方違え(かたたがえ)」などは最も不得意である。
つまり、あえて別の方向に向かったあと
目的地をめざす方が縁起がいいなどという芸当は、
人間の感性や霊感抜きでは無理なのである。
 
 
という分けで、というかいよいよ近々衆議院選挙が行われることになった。
 
今現在の日本の状況をきちんとインプットした上で、
どの目的地にどのコースを通ってたどり着くのか、
その感度とセンスが問われる選挙となるであろう。
 
鈍くなった体内ナビの点検を今一度しなくては。
 
 
 
建築家 野口政司   2009年 7月 15日(水) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より


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