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里山エッセイ



萩焼そして髙橋和三郎展

青藍天目釉流水鎬文壺.jpg
     髙橋和三郎 作 「青藍天目釉流水鎬文壺」
 
 
“萩の七化け”という。
 
お正月に山口県萩で求めた大振りの萩焼茶碗に、たっぷりと煎茶を入れて飲む。
うす雪を散らしたような白い釉薬に、貫入模様が表れ、それが日ごとに増していく。
 
萩焼の特徴である地土のあまさ、やわらかさが湯水の浸透を招くのである。
お茶を飲むたびに茶渋が浸み込み、貫入模様がふえていく。
“鬼萩”と呼ばれる砂の荒い土でつくられた茶碗は、
最初お茶が浸み出るほどである。
しかし、かまわずつかい続けるうちに漏れはおさまってくる。
茶の成分がすきまを埋めるのだそうだ。

 
“一楽、二萩、三唐津”ともいう。
 
萩焼は古くから茶人に愛されてきたやきものである。
時間を味方にし、時を刻むことによって味わいを増していく。
磁器にはない、焼成温度の低い陶器ならではの深い魅力が感じられるのである。
 
この2月4日に百歳になられた人間国宝、
三輪壽雪(じゅせつ)さんの鬼萩茶碗は圧倒的な存在感であった。
又、壽雪さんの子息である三輪休雪さん、そして若手の作家まで、
萩焼に取組むすがすがしい熱気のようなものを感じた萩旅行であった。
 
さて陶芸といえば、徳島を代表する陶芸家である髙橋和三郎さんの作品展が、
本日よりあわぎんホール(県郷土文化会館)で開かれている。
 
人間国宝の清水卯一さんの内弟子として薫陶を受けた髙橋和三郎さん。
ろくろと釉薬のうでは前々から定評あるものであった。
それに加えて今回の文様である「流水鎬文」(りゅうすいしのぎもん)は、
繊細さの中に造型力と釉の味わいがみごとにとけあっている。
 
又、それぞれの陶器が日常の生活の中でつかわれることを想定していること、
つまり、やきものが本来もつべき“用の美”が意識されているのもうれしいことだ。
 
一回一回の個展に、その時その時分の造型や釉薬の工夫が見られる。
中でも今回は、和三郎陶芸の完成期に向けての
特筆すべき展覧会になるのではないだろうか。
 
その時その人だからこそ生み出される造型の美しさがある。
そして、時を友として、つかい用いることで
深みを増していく土の結晶である“やきもの”。
その魅力は、わたしの心をとらえてはなさない。
 
 
 
 
建築家 野口政司   2010年 2月 9日(火) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より


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