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里山エッセイ



あるじなしとて春な忘れそ

 
 
 梅の思い出リレー。
 学校帰りに近道を
 通ってみればどこからか
 ほんのり匂う梅の花
 
 
田んぼのあぜ道をとんとん走った近道、
横丁を曲がってひなびた家並に出くわした近道。
思い切り走ったお墓のある近道。
背中のランドセルがカタカタ鳴って、オカッパ頭は神出鬼没。
辻々に梅が香っていた。
 
奈良県月が瀬村、ダムに沈んでいった白い白い一面の梅。
白い幻は今も夢に立ち現われる。
木頭村の切り立つ谷に立った日。
「ダム底に沈まなくて良かった!」ダムを止めた村民の苦労がしのばれた。
あれも梅の季節だったか。

 
 
徳島に来てすぐの春、
手を組んで二人で訪れた鳴門市大谷町の梅林、ふくいくと香っていた。
数年後手をつなぐ相手は子どもとなり、家族で出かけた明谷梅林。
 
入田の里山に今を盛りと咲いていた紅梅。
人待ち顔に辺り一面香りを放つ。
ていねいに組まれた山田の石垣、ついこの間、といっても7~8年にもなろうか、
清らかな沢水を引いてうまい米を作っていたという。
わずかに残る果樹園に、はっさくの黄色い実がたわわ。
竹の子ももう食わんよ!きのこも生えんよ!かぐや姫ももう住まん!だぁれーも来ん。
案内してくれた友人の、抜けるように明るい声は寂しさの裏返し。
 
 
そして昨日梅の里美郷を訪れた。
段々畑に点在する梅が満開だった。ひと雨落ちれば散り初めそう。
重なり合う山あいに数軒ずつの民家が見えて静かなたたずまい。
標高400メ-トルの急峻な地形だから、
農地を拓き家を構えるために石積みの技術が発達したという。
高開の石積みは芸術品のように見事だった。
天高いこの地を「ソラ」と呼ぶのもうなづける。
石を積んで50年という高開さんの語る石積みのコツは
「一 グリ、二 石、三に積み」。それが秘訣であるという。
梅干に梅酒に梅エキス、まだまだ梅製品の数々、
花より団子と買い物も楽しめて満足。地域の人たちの心意気が伝わった。  
 
 
同じく春に咲くならばあるじある里に咲きたい!
梅の花のそんな声が聞こえてくるようだ。
 
 
 
 
 
里山の風景をつくる会 理事 
地球温暖化を考える-市民アクション2010-徳島代表  八木正江
2010年 3月 6日(土) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より


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