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里山エッセイ



信濃の国

 
 
 
4月の始め久しぶりに故郷に帰り温泉行(こう)となった。
訪れた赤倉温泉はまだ班(はだら)の雪景色、
聳え立つ黒姫山も妙高山も雪化粧だった。
 
実家は、俳人小林一茶がよく往き来したといわれる北国街道筋にある。
山路にかかると遠く千曲川も眺められて旅情豊かな往来が偲ばれる。
更に北へ北へとたどれば一茶の古里柏原に至り、
ナウマン象の遺跡が出た野尻湖を経てその先はもう新潟に近い。
赤倉温泉はそこにある。

 
 
思えば、故郷を出でて半世紀、名古屋~長野間を幾度行き来したことか。
中央線が電化される前、汽車は黒い煙をもくもく吐いて走った。
急勾配をあえぎあえぎ上り、スイッチバックしながら長い冠着トンネルを出て姨捨駅へ。
出口の明かりにほっとした。
 
日本3大車窓と言われる「田毎の月」の千枚田に見とれつつ、
千曲川が広げた善光寺平を過ぎて終点の長野に。
 
 
 
スイッチバックは汽車に留まらない。
中央線に乗った途端に関西圏から関東圏へと私の中でスイッチが切り換わる。
山の形が象徴する二つの文化圏とでも言えようか。
木曽福島を過ぎ、塩尻から松本にかかると、
日本アルプスの鋭い稜線が雲間に連なって見える。
シュウ曲作用という造山活動によってできた山脈である。
背筋がきりりと伸びる
 
一方、盛り上がった地面が徐々に削られていった四国の山地は
春の日和のようになだらかで心ものどか。どちらを故郷に選ぶ?
 
 
 信濃の国は十州に 境連ぬる国にして
 聳ゆる山はいや高く 流るる川はいや遠し
 松本 伊那 佐久 善光寺 4つの平らは肥沃の地
 海こそなけれ 物さわに 万ず足らわぬ事ぞなき  
 
 
温泉の湯煙りに浸りながら、思わず口ずさむ長野県歌「信濃の国」のメロディ。
山を描き、川を描き、平を描き、人を描いて信州一望。
やはり住みたいまちの筆頭、故郷とはそういうものであるらしい。
 
 
 
 
 
里山の風景をつくる会 理事 
地球温暖化を考える-市民アクション2010-徳島代表  八木正江
2010年 4月 21日(水) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より


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