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里山エッセイ



雨土と蛍

水無月と聞くや、
咲き始めていたクリの花が満開になっている。
穂状に垂れる白い房々が、
秋にはイガグリ頭のクリの実になるとは摩訶不思議。
ゲ-テ形態学論集・植物篇という本があって、
そこには花から実への秘密が書かれている。
クリの花が実へと大変身するように、
ぜひとも良き結果に変身せよとの願いを込めてこれを書く。


願いを語り合うために、
6月19日上八万コミニュティ・センタ-で
「園瀬川流域環境保全の会」第6回定期総会を開く。


上八万産廃問題に取り組み始めて5年、
公害調停制度を生かして解決への道筋を作って欲しいと
主張して来た裁判も、
毎回多くの傍聴者の応援を得て、先日審議を終えた。
今後処分場そのものを解決するためには
どんな活動の仕方があるのかを、総会の席で考えたい。


今年の総会の目玉は「宅宮神社の神踊り」のお話を
神踊り保存会会長から聞けること。
宅宮神社を始め、上八万町の郷土史にくわしい方々の資料によれば、
この神踊りは、平安時代の末頃から今に至るまで、
休むこと無く続けられている由緒ある祭事であるという。
五穀豊穣・悪病退散を祈願して、
毎年8月15日に11地区の氏子により輪番で奉納されている。
氏子は馬組という、とあるように
農と馬が大切にされていたことをうかがわせる。
境内中央にさかきに幣帛をつけたひもろぎ、
桜花八方乱の飾り物を立て、
これを取りまき大人も子どもも花笠をかぶり手に扇、
そろいの浴衣で舞う姿は、優雅で純朴、
その写真に思わず見入ってしまう。
今年の神踊りが待ち遠しい。


蛙鳴き早苗に風わたるこの季節、
園瀬川西光寺橋の近くでは、滝つぼからわき立つように蛍がとぶ。
上八万町を蛇行して流れる園瀬川は、
一帯に豊富な地下水を擁し、豊穣の雨土を成し、人々が住み、
古来から恵みの川であった。
伝承的な素朴な民俗文化はそこに育った。
人の心の豊かさは、豊かな自然のふところから生まれ出るのだから、
この豊な文化が長い長い先々までも続くようにと願わずにはいられない。
この地に産廃はいらない。

八木正江

里山の風景をつくる会 理事 
地球温暖化を考える-市民アクション2011-徳島代表  

2011年6月18日(土) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より


復興住宅の提案

NPO里山の風景をつくる会は、震災後自分たちにできることを探してきた。
「まちに森をつくろう」と、吉野川源流域の木を使った家を建て続けて10年、
川上の森で林業を営む人たちと、川下のまちで木の家に住みたい人たちの願いをつなげてきた。


そして、お互いの願いをすり合わせて行くうちに、
木の家づくりに役立つモデルプランを生み出した。
そのひとつが「嶺北スケルトン」である。
もっと山とまちの距離を短くしたいという願いから、
すぐに組み上げられるようにプレカットした構造材を、
産地から建築現場の軒先へ直送することができるようにした。  

 
これをぜひ復興住宅に生かそう!
これまでの実績に、なお智恵と工夫と被災地復興への思いを加えて、
間取りも値段も考えに考え、
本当にいいものを・安価に・簡単にと実現させた。
果たしてこのモデルが現地の実情に合うかどうか、
実際に建築家が東北に飛んだ。


まち全体がない・・・
いまだ想像を絶する状況が続いていて、
とても住宅を建てるような状況ではなく、
現実は予想外に厳しいようだ。
しかし、仮設住宅にいつまでも住めるものではなく、
必ず生活の基本である「安心の住まい」が求められるはずである。
私たちNPOは復興住宅における安心の住まいを次のように考える。

1,土地の気候と風土に合わせ、風を入れ、光を入れて建てる、自然素材による健康住宅
2 仮設の役目がすめば、建て増しや移築もできる本格的な住宅
3 輸入木材ではなく、故郷の森の復活につながる住宅
4 低予算で狭い土地にも建てられる住宅 
5 予想される東南海地震の時には、自分たちが提供を受けたい住宅


地元の大工さんや職人さんが、地元の木で建てることができれば言うことなし、
それを手助けできる事を願う。


佐古一番町のビオスホ-ルで6月4日午後2時から開くNPO里山総会(参加自由)では、
現地報告に合わせて「復興スケルトン住宅」を発表、
私たちの役割は何か、を話し合いたい。


八木正江

里山の風景をつくる会 理事 
地球温暖化を考える-市民アクション2011-徳島代表  

2011年6月3日(金) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より


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NPO法人 里山の風景をつくる会
〒770-8055
徳島市山城町東浜傍示28-53
TEL:088-655-1616
FAX:088-655-1632
E-mailinfo@enjoy-satoyama.jp

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