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里山エッセイ



半夏生

半夏生の季節になった。
半夏生という響きも美しく、
舟形の緑の葉っぱに半分だけおしろいを刷いたようで、
庭一面に増えるのを楽しんだ。
と、いつの間にかユリの仲間に席巻されて
今年は数本になってしまった。


ひともと植えた白雪ゲシも、数年経つと庭いっぱいに広がり、
毎年白い4弁の花を愛でた。
愁明菊がわれこそは王者とばかりにとって代わったが、
今年はホタルブクロに席を譲った。
無数の白い花が梅雨の雨に濡れて夕闇に浮かんだ。
愁海棠は毎年変わらず、びっくりする位の大きな葉っばの陰に、
夏遅くちらほらと淡いピンクの花を咲かせる。


「日本の家居は夏を旨とすべし」の習いに従って北側の地に家を建てたから、
日のあたりが少なく、どの花も背丈が高く、葉っぱが勢い良く育っている。


近くの山野からわが庭にやってきたアケビにスイカズラにムカゴ、
木戸や塀に、庭木に驚くべき速さでつるがまきつく。
あけびの花は不思議なかたち、
楚々としたスイカズラの花は甘く香り、密を蓄える。


夏の終わりが近づくとスイフヨウ。
朝咲き始めは白色、午後にほろ酔い加減のうすもも色、
夜にかけて猩々の紅色にうつる一日花。
酒の酔いになぞらえ酔芙蓉と記す。
花はふっくらと優しい。
気候の動きや、土壌の組成が関係して刻々変わる庭の表情、
庭にまつわる話は尽きない。


詩人ゲ-テが不惑、40歳のときに著した「植物メタモルフォーゼ」。
メタモルフォ-ゼは変身。
ゲ-テの心眼に映し出された植物の自然-それは紛れもない生物本来の姿であった。
一年生草木の生に引き寄せられたゲ-テにとって、
葉のこころと花のこころは、植物の生を支える見事な対極であった。
ある一つのものが、ときに(葉)のかたちをとり、ときに(花)の姿となる。
自然の意(こころ)のままに・・・。


葉の緑の底に花の紅がただよい、
またはなびらのかたちに葉っぱの面影か映し出される・・・
変身の意は深い。

八木正江

里山の風景をつくる会 理事 
地球温暖化を考える-市民アクション2011-徳島代表  

2011年7月4日(月) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より


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