ヘッダーをスキップ

ヘッダーエリア


コンテンツエリア

里山エッセイ



鶯の鳴かない遍路道

 「キョキョ キョキョ ホケキョ」。
この辺のウグイスの初鳴きは2月28日だよ、
と友人の鳥先生が教えてくれた。
今年は、例年より4日遅れ3月3日に雑木林に帰ってきた。
高く伸びた榛の木、栗の木、合歓の木、
どの木を見上げても姿は見えないが、
あの声は去年のウグイスにちがいない。
早春のウグイスの声だ。


春がすみたつ園瀬川。
春の気満ちるのどかな田園。
今日は月一回の環境作業日。
竹やぶにウグイスが鳴いている。
3年前の春には、放置され荒れた竹薮に
山ほどのごみが捨てられていて、
ぼうぜんと立ちすくんだ。
そこは、車の通行激しい道の端。


どうしようかと考え、まず黙々とゴミを撤去、
竹やぶと道路の間のわずかな土地を耕した。
竹の葉が扶養土となり意外にふかふかした土ざわり。
ひまわり、キバナコスモス、なでしこ、四季折々の花を植え、
昨年の晩秋には200株のパンジ-を植えた。
園瀬花壇の誕生。


散歩しながら花壇を楽しみ
はながらをていねいに摘んでくれる人がいる。
立ち止まり話に花を咲かせている人たちもいる。
誰だろうか、竹やぶから竹を切り出し、
何本かの支柱に竹を編みこんで、
花壇の後ろに柵をつくり始めていた。
続きは組まねばなるまい。
なたとのこぎりとしゅろ縄とを用意して
上に上にと組みあげた。
ただ見とれているうちに見事に完成した。
桂離宮ならぬ「園瀬離宮だ」と歓声をあげた。


ある年の朝には、
佐那河内村から神山町へと抜けて行くこの道を、
白装束のお遍路さんが通って行った。
歩き遍路は、春遍路。
鈴の音が今も耳に残る。


数日前ゴミ遍路道の清掃に参加した。
一の宮から入田、神山へ。
かれんな緋桃の花咲く里。
そこを抜けてひとたび遍路道にかかると・・・・
昨年にもましての大量のごみだ。
四国一不法投棄が多いといわれる徳島県、
不名誉極まりない。
15トンのごみを拾った。
ウグイスは鳴かなかった。
ウグイスの鳴かない遍路道。

 
 
 
 
                                      八木正江
 
                            里山の風景をつくる会 理事 
          地球温暖化を考える-市民アクション2012-徳島代表  

             2012年 3月19日(月) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より


▲ページのトップへ戻る


サイドナビゲーションエリア

SATOYAMA SNS 里山を語るコミュニティ

ログインe-mailアドレス、パスワードを入力

カテゴリー

バックナンバー

最近の記事

最近のコメント

RSS 2.0 ATOM 0.3

お問い合わせ

NPO法人 里山の風景をつくる会
〒770-8055
徳島市山城町東浜傍示28-53
TEL:088-655-1616
FAX:088-655-1632
E-mailinfo@enjoy-satoyama.jp

▲ページのトップに戻る


フッターエリア


Copyright©2006 Meeting that makes scenery of hometown mountain.All Rights reserved.